古くて寒いけどあたたかい家
先日、バウハウス高円寺の取材があり、立ち会ってきました。
入居者の話を聞きたいという依頼があり、休日にもかかわらず集まってくれた入居者のみなさん。(いつもご協力感謝!!)
オープンから4年間住んでくれているメンバーから、4ヶ月前に入居した新しいメンバーまで、織り交ぜて4名。年齢も10歳ほど差があります。
ゆるりとしたいい雰囲気で、すぐに「あぁ、いい関係なんだな」とわかります。
シェアハウスを育てるのは、なんと言ってもそこに住む人。と、つくづく思う今日この頃。
シェアの話、家の話をいろいろとしていくうちに、隙間風談議へ。
木造の古い家ということで、寒いですか?という問いに対して、
長く住んでいるメンバーから、冬場は「びっくりするくらい寒かった」というコメントがあった。
「まずは、窓の隙間を埋めるところからスタート」という冬に入居したメンバーも。
「四季を感じられる」というフォローもあったが、、、まあ寒い、底冷えしますよねこの家は。
それでも、何回も冬を越して住み続けてくれていることが、何より家への愛を感じます。
ふと、本棚物色中、一枚の紙ペラが出てきました。
それは、家のルールを書いた紙。
キッチン、浴室、トイレなどなど、共有スペースを使うときに気をつけることが書いてありました。
「新しく入居者が入って来たときに説明するのが面倒だから・・・」という理由で書面化したそうなのですが、住んでみて気づくって感じの、行き届いた内容でした。
こういうのはふつう、管理側できめるルールだったりするのかもしれないけど、バウハウスの場合は基本的に住む人におまかせしているのが現状で、ちゃんとそれぞれの入居者達でうまくやってくれているようです。
それに、強制されるより自分たちで決めたほうがうまくいくのだと思う。。
さらにその紙には「誰もいないときは冷暖房を消す」とか、「水の無駄流しをしない」なんてことまで書いてあって、「共益費一定だからいいや」なんて考えの無いところにじ~んときました。
いつ行っても居心地のいい家だといつも感じるのは、入居者のみんなが気持ち良い空間にしようという思いやりを持って住んでくれているからだったんだ。
現在の入居者も、いつかは家を出るわけで。
でも自分が住んでいるときがよければいいやじゃなくて、今後この家が住み継がれていくことを考えてくれている。
まるで自分が買った家のように。
もともと古い家だし4年住むとほころびも出る。
でも、ていねいに住んでくれるから、生活に支障のない経年劣化のみですんでいる。
そう思って見てみると、これまで気づかなかったけど、カウンターにある椅子の脚先にキャップがはめてある。フローリングを傷つけないようにとの配慮のようだ。
古いものというのは、大切にしてくれる人がいるからこそ、古いまま残っていくことができるんだなぁ。
代々と住みつがれていくシェアハウス。それは、大切につながれていくバトンのようなもの。
なんて幸せな家なんだろうと思った次第であります。
カナコ